Aqua VoiceとWispr Flowは、どちらもクラウドで音声を処理し、いま使っているアプリへ整形済みのテキストを入れる音声入力アプリです。違いが大きいのは、その周辺です。Aquaは現在の個人向けPro料金が低く、Avalon、49言語、Deep Context、選択範囲を書き換えるEdit Modeを軸にしています。Wispr FlowはPro料金が高い一方、毎週更新される無料Basic、Android、100言語以上、snippet、Command Mode、学習利用とクラウド保存を分けたデータ設定があります。
2026年8月11日に、AquaのFAQ、Edit Modeガイド、プライバシー情報と、Wispr Flowの料金ページ、Command Modeガイド、Data Controlsを確認しました。どちらも変更が速いため、支払い前にはアプリ内表示とcheckoutを再確認してください。
| 判断軸 | Aqua Voice | Wispr Flow |
|---|---|---|
| 処理 | クラウド、ネット接続必須 | クラウド、ネット接続必須 |
| 端末 | macOS、Windows 10/11、iPhone | macOS、Windows、iPhone、Android |
| 言語 | 49言語 | 100言語以上 |
| 無料利用 | 初回1,000語、カード不要 | BasicはMac/Windows週2,000語、iPhone週1,000語、Androidは期間限定で無制限。14日Pro trialも案内 |
| 個人Pro | 月10ドル、年払い換算で月8ドル | 月15ドル、年払い換算で月12ドル |
| 音声編集 | Edit Modeで選択テキストを書き換え | Command Modeで選択編集やインライン指示 |
| 定型文 | 辞書、Custom Instructions | 辞書、snippets |
| データ設定 | Privacy Mode、Teamで強制、EnterpriseでZDR | Privacy ModeとPrivate Cloud Syncを別々に設定可能 |
2026年8月11日時点。無料枠の仕組みが異なるため、単語数を同じ利用量として換算していません。
有料で使うならAqua、無料を継続したいならWisprが有利になりやすい
Aquaはアカウント作成時に1,000語を無料で使えます。公式FAQには週次・月次で復活する枠とは書かれていません。使い切った後のProは月払い10ドル、年払いなら月換算8ドルです。公開価格だけで1年間を計算すると、月払いは120ドル、年払いは96ドルです。
Wispr Flow Basicは仕組みが違います。現行料金ページではMac/Windowsが週2,000語、iPhoneが週1,000語、Androidは期間限定で無制限です。Proは月15ドル、年払いなら月換算12ドルなので、12か月では180ドルと144ドルになります。
すでに有料化する前提ならAquaの方が安い一方、WisprのBasic内に収まるなら継続的に無料で使えます。料金だけを詳しく確認する場合はAqua Voiceの料金とWispr Flowの料金を分けて確認できます。
Androidか49言語外の入力が必要ならWisprを先に選べる
Mac、Windows、iPhoneは両方が対応しています。Wispr FlowにはさらにAndroidがあります。普段の音声入力にAndroidを使うなら、価格差より先にここで決まります。
言語数も同様です。Aquaは49言語を公開し、その範囲で自動判定するとしています。Wisprは100言語以上を案内しています。言語数が多いこと自体は特定言語での認識精度を保証しませんが、Aquaの一覧に必要な言語がなければ互換性の問題になります。
日本語と英語をMacやWindowsで使う限り、両方を候補に残せます。AndroidやAqua非対応言語が必須なら、月額が高くてもWisprの方が作業条件に合います。
音声編集は「Wisprだけの機能」ではなくなった
2026年7月、Aquaはデスクトップ版にEdit Modeを追加しました。アプリ内の文章を選択し、通常のAquaキーを押しながら修正内容を話すと、その選択範囲を書き換えます。公式ガイドでは名前の訂正、翻訳、短縮、数値整形、削除、複数段階のundoなどを説明しています。ブラウザのアドレスバーなど一部の入力欄と、6,000文字を超える選択には制約があります。
Wispr FlowのCommand Modeも選択した文章を音声で変換できます。選択なしで質問し、回答をその場へ入れる使い方もあります。デスクトップでは有料プランか有効なtrialが必要で、Settingsから有効化します。
そのため比較軸は「Aquaは入力だけ、Wisprは編集もできる」ではありません。Aquaは選択範囲を直接編集するEdit Modeを広く提供し、WisprはCommand Modeをsnippetや辞書、パーソナライズ機能と組み合わせています。普段どの修正をキーボードで行っているかを見ると差が分かりやすくなります。
定型文を何度も入れるならWisprのsnippetが効く
両方に辞書機能があります。Aquaの有料プランでは辞書枠が増え、Custom Instructionsで出力の方針も指定できます。Wispr Flow Basicには辞書とsnippetが含まれます。
snippetは単語登録とは用途が違います。「my address」のようなトリガーを話すと、住所、会議URL、署名、定型返信といった保存済みの文章をまとめて挿入できます。WisprはMac、Windows、iOSでの利用方法を公式に説明しています。
定型ブロックを繰り返す仕事では、こうした操作が料金差より効くことがあります。AquaはAvalon、Deep Context、Custom Instructions、Edit Modeで、話した内容や選択した文章をどう解釈・整形するかに比重があります。
どちらもクラウドだが、データ設定の分け方は違う
オフライン処理やローカル完結が必須なら、AquaとWispr Flowの二択ではありません。AquaはAvalonをクラウドで動かし、ネット接続が必要だと明記しています。Wispr Flowもクラウド音声入力です。
AquaはPrivacy Modeを無効にしている場合、製品改善のためtranscriptを保持することがあるとしています。Privacy Modeを有効にすると、その保持を止められます。Teamでは組織単位で強制でき、EnterpriseではZero Data Retentionを案内しています。Deep Contextはユーザーが有効にするまでオフで、取得した画面コンテキストは保存しないと説明しています。
Wisprは2026年に設定を分離しました。Privacy Modeは音声入力データをモデル学習・改善に使うかを制御し、Private Cloud SyncはtranscriptやaudioをWisprサーバーに保存するかを制御します。Privacy Modeをオン、Cloud Syncをオフにすると、音声とtranscriptについてZero Data Retentionになると説明しています。
クラウド利用は許容できても保存と学習利用を別々に決めたい場合、Wisprの分離設定は判断材料になります。どちらも「安全」「危険」の一語にまとめず、実際に使う設定を確認する方が正確です。
Aquaは有料料金とAvalon中心の作業が合うときに選ぶ
Aquaが向くのは、有料利用を想定し、Androidが不要で、49言語の範囲で足りる場合です。現在の公開価格では月払い・年払いのどちらもWispr Flow Proより低くなっています。
さらに、Avalon、Deep Context、Custom Instructions、Edit ModeというAqua側の作業設計を使いたいなら価格差に意味があります。Aquaは精度や速度の数値を公開していますが、Wisprが同一条件の比較値を公開していないため、その数字だけで「Aquaの方が高精度」とは判定できません。
最初の1,000語で、自分の固有名詞、メール、AIプロンプト、編集操作を試すのが先です。その結果が良く、有料化するならAquaの料金優位が効いてきます。
Wisprは無料継続、Android、言語、定型作業の幅で選ぶ
Wispr Flowは、Android、100言語以上、毎週更新されるBasic、snippet、Command Mode、複数端末の作業が必要なときに向きます。Proは高くても、その機能で別アプリを減らせるなら支払う理由があります。
逆に、MacやWindowsだけで日本語・英語を入力し、snippetやAndroidを使わないなら、追加料金の価値は小さくなります。
比較するときはAquaの初回1,000語と、Wisprの継続Basic・trialを同じ「無料」とまとめないでください。同じメール、AIプロンプト、文章修正、定型文挿入を実際に試すと、自分の仕事でどちらの制約が先に出るか判断できます。
Macで日本語・英語だけなら、さらに狭い選択肢もある
TalkTalkTypeは両製品より対象を絞っています。現在はmacOS 26以降で、日本語と英語の音声入力に対応しています。Freeは週30 dictations・15音声分、Plusは月1ドルで週80 dictations・30分です。
Windows、iPhone、Android、数十言語、snippet、AquaやWisprの音声編集機能は置き換えません。必要なのが対応Macでの日本語・英語入力だけなら、広い機能へ払う前にTalkTalkTypeの料金を確認できます。
判断は必須条件から始めると簡単です。AndroidやAquaの49言語外が必要ならWispr Flow。有料化を想定し、Aquaの対応範囲で足りるならAquaの低いPro料金が有力です。Macで日本語・英語だけなら、さらに狭い料金体系でも足りる可能性があります。