Aqua VoiceとSuperwhisperは、どちらも今使っているアプリへ声で文章を入れるための製品です。ただし、選ぶときに先に見るべきなのは認識率の広告値ではありません。Aquaは音声認識をクラウドで動かし、Superwhisperはローカルモデルとクラウドモデルを選べます。この違いが、オフライン利用、プライバシー、Macの性能、設定量、料金の選び方まで変えます。
以下は2026年9月8日に、Aqua Voiceの公式FAQ・プライバシーポリシーと、Superwhisperの公式モデル一覧・Proドキュメント・機密データ向けガイドを確認した内容です。両社が公開する精度指標は測定条件が同一ではないため、製品間の「精度勝者」を決める根拠には使いません。
| 判断軸 | Aqua Voice | Superwhisper |
|---|---|---|
| 音声認識処理 | クラウド、インターネット必須 | ローカルまたはクラウドをモデルごとに選択 |
| オフライン音声入力 | 不可 | ローカルモデルなら可能 |
| 対応端末 | macOS、Windows 10/11、iPhone | macOS、Windows、iPhone、iPad |
| 認識言語 | 49言語、Auto-Detectあり | 対応モデルでは100以上の言語 |
| 文脈・整形 | Avalon、Deep Context、入力先に応じた整形 | 音声モデルと別の言語モデル、カスタムモード |
| プライバシーの経路 | Privacy Modeで文字起こしデータの扱いを変えられるが、音声処理はクラウド | 音声モデルと言語モデルをローカルにすれば両段階を端末内で処理できる。クラウド利用時は提供元の条件を確認 |
| 無料利用 | 最初の1,000語、カード不要 | Free継続利用可、Pro機能は最初の15分試用可 |
| Pro料金 | 月10ドル、年払いは月換算8ドル | 月8.49ドル、年84.99ドル、Lifetime 249.99ドル |
| 買い切り | 公開されたLifetimeなし | Lifetimeあり |
2026年9月8日時点。料金・モデル・対応端末は変わる可能性があるため、購入前に公式ドキュメントとチェックアウトを確認してください。
最初に決めるのは「音声をどこで処理するか」です
Aquaの公式FAQは、クラウド型でインターネット接続が必要だと明記しています。Avalonをサーバー側で動かす設計なので、利用者がMacへ大きな認識モデルを入れて調整する必要はありません。対応端末で同じクラウド側の認識経路を使いやすいのが特徴です。
Superwhisperには別の選択肢があります。公式モデル一覧には、端末内で動くWhisper系やParakeet系の音声モデルと、クラウド音声モデルが並んでいます。ローカル音声モデルを選べば、その認識処理では音声を端末外へ送らず、ネット接続なしでも使えます。
プライバシー設定を確認すると、この違いはさらに具体的になります。Aquaのプライバシーポリシーでは、Privacy Modeを無効にしている場合、製品改善に必要な範囲で文字起こしデータをサーバーに保存することがあると説明されています。有効にしてもセッションのメタデータは収集される場合があり、Privacy Modeはローカル認識へ切り替える機能ではありません。Superwhisperの機密データ向けガイドは音声認識と後処理を分けて説明しており、両方をローカルにすれば音声とテキストを端末内に留められます。クラウド段階を使うなら、利用する提供元の条件も確認します。
ここは好みより要件で決まります。機密性の理由で音声を端末から出せない、飛行機や閉域環境でも使いたい、といった条件があるならAquaは候補から外れます。逆にクラウド処理を許容し、ローカルモデルの容量やMacの性能を気にせず使いたいなら、Aquaの方が判断項目は少なくなります。
Aquaはモデル選択を減らし、Superwhisperは選択肢を増やします
Aquaは自社のAvalonを中心に設計されています。Deep Contextを有効にすると画面上の文脈を利用でき、入力先に合わせた整形も行います。認識モデルを何種類も比較して選ぶというより、一つのサービスとして使う構成です。
Superwhisperは音声認識と、その後の文章整形を分けて考えられます。音声モデルだけでもローカル・クラウドに複数の候補があり、必要なら別の言語モデルでメールやメッセージ向けに整えます。Voice Modeなら言語モデルを使わず、文字起こしだけを返すこともできます。
自由度が高いぶん、設定する項目も増えます。ローカルモデルではモデルサイズと処理速度がMacのRAMやCPUに影響されます。クラウドモデルに切り替えれば通信が必要です。「何を選べばよいか考えたくない」のか、「処理経路まで自分で選びたい」のかで評価が分かれます。
公開ベンチマークだけで精度の優劣は決めません
AquaはAvalonについてAISpeakやOpenASRの結果を公開しています。一方、Superwhisperは複数の音声モデルを選べるため、結果は使うモデルや端末条件で変わります。両社が同じ音声、同じ設定、同じ採点方法で実施した中立的な比較ではありません。
購入判断では、自分が実際に話す内容を揃えて試す方が確実です。人名、製品名、専門用語、句読点、英語と日本語が混ざる文など、普段修正が多い例を10〜20個用意し、同じ内容を両方へ入力します。Superwhisperは購入後に使う予定のモデルを固定して比較してください。
特にコードやコマンド周辺は、通常文より一文字の誤りが重くなります。ファイルパス、URL、APIキー、コマンド、識別子は音声認識結果をそのまま実行せず、キーボードで入力または貼り付けて確認する方が安全です。
料金差より、契約の形が大きく違います
Aqua Proは現在、月払い10ドル、年払いなら月換算8ドルです。無料利用は最初の1,000語で、カードは不要です。現行の公開情報にはLifetimeの買い切りプランはありません。
Superwhisper Proは月8.49ドル、年84.99ドル、Lifetimeが249.99ドルです。公式Proドキュメントでは、月額・年額・LifetimeでPro機能は同じで、違いは支払い方法だと説明されています。
数十セントの月額差より、継続課金を受け入れるか、買い切りを選びたいかの方が判断を変えます。詳細な料金条件はAqua Voiceの料金とSuperwhisperの料金で確認できます。
言語数と端末数は見出しの数字だけで比べない方がよいです
AquaはmacOS、Windows 10/11、iPhoneに対応し、公式FAQでは49言語とAuto-Detectを案内しています。一つのProアカウントで対応するデスクトップとiOSアプリを利用できます。
SuperwhisperはMac、Windows、iPhone、iPadを一つのProライセンスで使えます。音声モデルの一覧には100以上の言語へ対応するモデルがありますが、すべてのモデルが同じ言語数ではありません。
必要な言語が決まっているなら、総数よりその言語が実際に使うモデルと端末で対応しているかを確認します。英語と日本語だけで足りる人に「100以上」は必須条件ではありませんし、49言語の中に必要な言語が入っていれば数の差は購入理由になりません。
Aquaが向くのは、クラウド前提で一貫した経路を使いたいときです
クラウド処理を許容でき、モデル選びよりもAvalon、Deep Context、自動言語判定、端末間での設定同期を一つのサービスとして使いたいならAquaが分かりやすい選択です。ローカルモデルのダウンロードやMacごとの処理性能を管理したくない場合にも合います。
ただし、ネット接続なしで使う要件とは両立しません。Aqua自身が接続必須と明記しています。音声を端末外へ出さないことが絶対条件なら、他の長所を比べる前にSuperwhisperのローカル経路を検討する方が合理的です。
Superwhisperが向くのは、ローカル処理自体が要件のときです
Superwhisperは、オフライン音声入力、ローカルモデル、モデルの選択、Lifetime購入のいずれかが重要なら有力です。文字起こしだけにするか、ローカルまたはクラウドの言語モデルで後処理するかも分けて選べます。
その代わり、どのモデルを使うかは利用者側の判断になります。Macの性能、必要な言語、通信可否、処理速度を見て調整する作業を負担と感じるなら、自由度がそのまま複雑さになります。
両製品の広い機能が不要で、対応Mac上で日本語または英語を日常的に音声入力するだけなら、より用途を絞ったTalkTalkTypeの料金も比較対象になります。TalkTalkTypeはAquaの広い言語・端末対応や、Superwhisperのローカルモデル・Lifetimeを置き換える製品ではありません。保存や処理経路を詳しく見るなら、Macのプライベート音声入力も確認してください。
試すときは文字起こしだけでなく処理経路まで確認します
Aquaでは普段のネット環境で入力し、接続必須という条件を日常的に受け入れられるかを確認します。Superwhisperでは実際に使うローカルモデルを一つ選び、処理時間やメモリ負荷がMacで問題にならないかを見ます。その後で、同じ文章を両方に話して修正箇所を数えます。
クラウド側で一貫して処理し、モデル選択を減らしたいならAqua。音声をローカルに残す、オフラインで使う、モデルや支払い方法を自分で選びたいならSuperwhisper。比較の中心は一回のデモ結果ではなく、毎日使い続ける処理経路です。