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Macでプロンプトを音声入力する:削っていた前提を、そのまま話す

MacでAIへの長いプロンプトを音声で書く方法と、整形プリセットの選び分け、語数ではなく回数で数える上限が、話す内容をどう変えるのかを具体的に説明します。

執筆 tsuvic公開 読了約4分

役に立つプロンプトは長くなります。前提となる制約、すでに試した方法、前回の回答が外れた理由、いま使えない一般解がなぜ使えないのか。キーボードに手を置く前から、その全部が頭にあります。ただ、打つと2分かかります。だから20秒で3分の1だけ打って、送ってしまいます。

AIは、送った3分の1に答えます。

話せば解決しそうに思えます。3分かけて打つ内容は、40秒あれば話せます。手間を惜しんで削っていた部分も、話す分には残ります。

ところが文字起こしを読むと、そうでもありません。冒頭が二度始まっています。肝心の条件の前に「えー」が入り、途中でやめた言い掛けが残り、口に出した言い直しもそのまま並んでいます。これをプロンプト欄に貼っても、短く打った版より明確に良いとは言えません。

つまり問題は、話すかどうかではありません。話した内容のうち、どこまでを入力欄へ届けるかです。

削られるのは、たいてい相手が必要としていた部分

プロンプトを手で短くするとき、どの語から消えるかを見てください。制約は残ります。依頼の本体に見えるからです。先に消えるのは文脈のほうです。使っているフレームワークのバージョン、火曜日に試して駄目だった方法、スキーマを変えられない事情。判断しているのは内容ではなく手間で、手間はどの一文が答えを決めるのかを知りません。

TalkTalkTypeは、押している間の録音1回を1ディクテーションとして数えます。40語でも400語でも同じ1回です。これでプロンプトが上手くなるわけではありません。削る理由が一つ消えるだけです。

話し言葉は、打ち言葉とは違う壊れ方をする

打ったプロンプトは、足りないことで失敗します。話したプロンプトは、残りすぎることで失敗します。

1回の録音には、言い直しの始まり、詰まったときの間投詞、良い言い方を思いついて捨てた半分の文が入ります。これは認識の誤りではありません。実際に声に出した以上、忠実な文字起こしほど、きちんと残します。

だから、プロンプト用の音声入力は、認識精度が高い時点では終わりません。残っているのは編集の判断で、それは行き先を知っている側の仕事です。

プリセットが決めるのは、書き換える量

TalkTalkTypeは、その判断を録音ごとのプリセットとして持たせています。

rawは文字起こしをそのまま返します。整形のモデルは動きません。

punctuateは忠実な軽い整形です。話した語、語順、丁寧さの度合い、短く言った意図をすべて保つよう指示されていて、意味が変わらない範囲の明らかな言いよどみだけを取り除きます。言い換え、補完、要約、敬語化はしません。「よろしく」は「よろしく」のままで、「よろしくお願いします」には伸ばしません。結果は改行のない1行で返ります。

promptは書き換えます。話した内容を、1行の簡潔で実行可能なプロンプトに整え直します。このときも、事実を作らないこと、意味を保つことが前提として指示されています。

三つは用途が違います。rawは自分で直す前提の録音や、整形で丸められると困る固有名詞を含む録音に向きます。punctuateは、言い回しそのものが要件になる録音に向きます。わざと不格好に言った箇所も、そのまま残ります。promptが向くのは、必要な情報は全部入っているのに、読みやすい形になっていない40秒の説明です。

使えるプリセットはプランで変わります。FreeはrawpunctuatepromptはPlusから、短いメッセージ用のslackと件名付きのmailはProから使えます。

何を数えるかが、話す勇気を決める

Freeは週30ディクテーション、音声15分、1回あたり最長60秒です。Plusは月1ドルで週80回・30分、Proは月7ドルで週500回・250分、1回の上限は120秒。Maxは月18ドルで週1200回・600分です。現在の内容は料金ページで確認できます。

整形には別枠があります。週あたりのクリーン入力はFreeが20回、Plusが60回、Proが500回。rawはこの枠を使いません。テキストに対して何も動かないからです。

この数え方から出てくる習慣は、語数制限のときとは違います。

1回の録音の中で言い直すのは無料です。条件を言い、違ったと気づき、言い直し、捨てた半分は整形に落としてもらう。一方、キーを離してやり直すと2回目になります。下手な録音でも、途中でやめずに言い切るほうが得です。

FreeとPlusの60秒という上限は、実際に効く境界です。しかも話しながら体感できます。1分はプロンプトとしては十分に長く、思いつくままに喋り続けるには足りません。その圧力の強さは、ちょうどいいと思います。

入力欄には、すでにカーソルが置かれている

⌥Spaceを押したまま話し、離します。テキストは、直前までフォーカスがあった欄へ戻ります。この作業でいえば、CursorやChatGPTのプロンプト欄、さっきまで打っていたターミナルです。直接の貼り付けはmacOSのアクセシビリティ権限を使い、保護されたアプリが自動入力を拒む場合はクリップボード経由が残ります。アプリはmacOS 26以降のメニューバーで動きます。

行き先の話は、短い返信のときより重い意味を持ちます。プロンプトは、対象を目の前に置いたまま書くものだからです。別ウィンドウへ移って口述し、結果を運び戻すなら、消したかった中断が別の形で戻ってきます。フォーカス位置へ文字が返る経路がアプリごとにどう振る舞うかは、Macのすべてのアプリで使える音声入力で扱っています。

なお、プロンプトがサーバーに残ることはありません。音声、整形前の文字起こし、整形後の文章のいずれもサービス側では保存せず、Macアプリの短い作業履歴はメモリ上にあって終了時に消えます。一つの録音がどこを通るのかは、Macのプライベート音声入力で順に追っています。

今週、短くしたプロンプト3つから試す

履歴から探してください。回答が惜しいところまで来ていて、そのあと追加のメッセージで前提を補った、あの3つです。

同じ内容を、制約と、試した方法と、例外を入れて、1回の録音で話し直します。結果を送って、最初の回答と比べます。見るのは回答の出来だけではありません。追加のメッセージが、まだ必要かどうかです。

Macアプリのダウンロードは無料で、この比較は週の無料枠の中で試せます。ただ、これで片付かない録音もあります。まだ頭の中で組み立てている、自分でも何を訊きたいのか決まっていない一本です。あれを声に出すのは別の実験で、たいていは、その前にもっと小さな問いへの答えが要ります。

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